
人生を変えるホームページ作成 不動産
彼ら自身も自己勘定で似通ったポジションを保持していたのだから、なおさら大変だったはずだ。
しかし実際には、これらの銀行や証券会社は、連邦準備理事会にせつつかれて団結し、ロングターム・キャピタル・マネジメントの危機を緩和するため、破綻しかけたこの会社に追加資金を投入した。
連邦準備理事会は、金融システム全体の崩壊を防ぐという、当然果たすべき職務を果たしたのだ。
緊急事態が去ったら、システムの改革が必要だろう。
改革は、サーキット・ブレーカー制が導入された一九八七年の株式市場崩壊後の改革と同じく表面的なものに終わるかもしれないし、もっと抜本的な改革になるかもしれない。
あえて繰り返すまでもないが、私は抜本的な見直しに賛成だ。
金融市場に関する現在の見方は誤った理論に立脚していると思うからだ。
論議されている。
私は、議論の方向が間違っていると思う。
レバレッジ(てこの原理)を使っているのはヘッジファンドだけではない。
デリバティブやスワップ市場の主なプレーヤーは商業銀行や投資銀行の自己売買部門であり、ほとんどのヘッジファンドはこれらの市場にはかかわっていない。
ソロス・ファンド・マネジメントを例にとると、われわれは、この分野のビジネスはほとんど行っていない。
デリバティブはまれにしか使わないし、レバレッジもはるかに少ない。
ロングターム・キャピタル・マネジメントは、いくつかの点で例外だった。
この会社は、事実上、投資銀行、ソロモン・ブラザーズの自己売買部門がそっくり独立したようなものだった。
大きく成功したため模者が続出しはじめてはいたが、それでも、ヘッジファンド全体をとつても、その規模は銀行やブローカーの自己売買部門にはおよばなかった。
ニューョーク連邦準備銀行が介入に乗り出したのは、ロングターム・キャピタル・マネジメントの破綻が、これらの機関におよぼす影響を危慎したためだった。
この問題に対して取るべき方策は、デリバティブやスワップ、および他の簿外取引に、証拠金規定やいわゆる「ヘアカット(超過担保)」を課すことだ。
むろん、こうした規定は、銀行とその顧客にも、ヘッジファンドにも、平等に適用されなければならない。
私はけっしてヘッジファンドを擁護しているわけではない。
ヘッジファンドも、他のあらゆる投資ファンドと同じく規制されるべきだ。
ヘッジファンドは大半がオフショァで活動しているため規制をかけるのは容易ではないが、規制当局が協力すれば克服できない問題ではないはずだ。
重要な点は、規制があらゆる参加者に平等に適用されることだ。
資本取引に対する規制を廃止し、銀行を含めた各国の金融市場を国際競争に開放すべきだという主張は、今では一種の信仰のようになっている。
IMFは、これらの目標をより明確に打ち出すため、憲章の修正を提案しているほどだ。
しかし、アジア危機の経験は、そうした動きに待つたをかけるはずだ。
金融市場を閉鎖していた国の方が、開放していた国よりうまく嵐をしのいだからだ。
インドは、東南アジア諸国ほど影響を受けなかったし、中国は韓国ほど翻弄されはしなかった。
資本市場を開放しておくことは、経済的にはむろん、政治的観点からもすこぶる望ましいことだ。
資本取引に対する規制は、責任の回避や腐敗、権力の乱用を招く。
閉鎖経済は自由に対する脅威である。
マレーシアのマハティール首相は、資本市場の閉鎖に政治的弾圧で追いうちをかけた。
残念ながら、国際金融市場は不安定だ。
国内の金融市場を国際金融市場の気紛れに全面的にさらしたら、外国資本に依存している国には耐え切れないほどの不安定が生じる恐れがある。
したがって、なんらかの形の資本規制は、理想の世界では賢明な策とはいえなくても、不安定よりは望ましいかもしれない。
なすべきことは、国際金融市場を資本規制の必要がないほど安定させることだ。
信用保証機構は、この目標を達成する一助になるのではなかろうか。
外国銀行の国内市場への参入を認めることは、これとはまったく別の問題だ。
外国銀行はおそらく、競争上優位に立つホールセール(大口取引)市場でいいとこ取りをし、収益性の低いリテール(小口取引)業務はおろそかにするだろう。
外国銀行はまた、国内銀行よりずっと変わり身の早いことがわかるはずだ。
これはマネー・センターでも周縁でも同じだ。
ロシアのメルトダゥンがあってから一番先にアメリカで与信枠を撤回したのはョーロッパの銀行だった。
ラテンアメリカは一九九五年以降、スペインの銀行の参入によって大いに恩恵を受けてきた。
しかし、スペインの銀行がラテンアメリカ向けの投資でリスク負担をふやしたために株主から罰を受けるようなときに、どれだけの資本をラテンアメリカに振り向けられるかは、そうなってみないとわからない。
だからチリが私的年金基金の設立によって国内の資本供給源を開発する政策には、かなりの取り柄がある。
短期資本移動そのものは、おそらく利より害の方が大きいだろう。
アジア危機が実証したように、受け手の国において流入した短期資本が長期目的に利用されるのは、すこぶる危険である。
適切な政策は流入した資金を不胎化することだ。
これは通常、準備金の積み立てによって行われるが、高くつくばかりか、一層の流入を招くきらいもある。
チリは、もっとよい方法を考え出した。
短期資本の流入に対し、投資額の一部をチリ中央銀行へ預託するよう義務づけたのである。
皮肉なことに、チリ政府は現在、投資を促進するため、このシステムの解体を進めている。
資本市場を開放しておくことが正しいとされる主な理由は、これによって株式や債券など、長期金融商品への資本の流入が促進されるということだ。
流れが逆転したら、この理由は消える。
主権国家は弁の働きをすることができ、流入は認めるが、流出には抵抗する。
周縁諸国に、マレーシァのように単純にグローバル・システムに背を向けるといった手段を取らせないことが肝要だが、そのためには、IMFをはじめとする諸機関が、資本の流れに対するなんらかの規制を支持する声に耳を傾ける必要があるかもしれない。
資本規制にまでは至らないが通貨投機を抑制できる巧みな方法もある。
たとえば、銀行に、自己勘定、顧客勘定双方の為替持高の報告を義務づけ、必要に応じて持高に上限を課すという方法が考えられる。
この方法は大きな効果を発揮することがある。
一例をあげると、一九九一年の欧州通貨危機の際、われわれソロス・ファンド・マネジメントは、アイルランド・ポンドの切り下げは確実だとみていたが、この通貨を空売りするのは、事実上、不可能だった。
各国中央銀行に課せられた制約は、自国の銀行しか管理できないことだが、ある程度の規制は正当だという原則が確立されれば、各国の中央銀行がもっと協力するようになるのではなかろうか。
資本規制の有害な副作用をすべて併発させずに、投機を抑制することは可能なはずだ。
解決のための処方として、言いたいことはほぼ言い尽くした。
先走りしすぎた感もあるが、私はただ、適切な改革を生み出すための議論を促したいと願っているだけだ。
恒久的で、しかも包括的な解決策などありはしない。
われわれは、将来の問題に備えて常に警戒し続けていなければならない。
ひとつだけ確かなことがある。
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